2010年10月31日

糸井重里のことば

図書館にはなんでもある

俺の本棚である近所の図書館に行ってブラブラしてたら、ある本が置いてあった。ビックリした。こんな本まで置いてあるのか、と思った。

著者は糸井重里。タイトルは「小さいことばを歌う場所」。図書館なんだから、そりゃ当然糸井重里の本の1冊や2冊置いてあるだろう。

ただし、この「小さいことばを歌う場所」という本は、普通の本ではない。一般の書店では販売されていない、ほぼ日でしか売っていない本なのだ。詳細はここらへんを読んでいただくとして、簡単に説明すると「糸井重里がほぼ日に書いたことばを集めた本」である。

発売されたのは2007年のはじめ。当時はちょくちょくほぼ日を読んでたのでこの本の存在は知っていた。ちょっと読んでみたいなと思いつつも、送料も入れると2000円弱もかかるので、買い求めることはしなかった。

その本が、普通に図書館に並んでいた。誰かがリクエストしたのだろうか。

ちなみに、「小さいことばを歌う場所」の発売後、この「糸井重里がほぼ日に書いたことばを集めた本」は毎年の恒例となり、現在までに計4冊発売されていてる。最新作の「あたまのなかにある公園。」は無かったが、「思い出したら、思い出になった。」、「ともだちがやって来た。」はしっかりと置いてあった。

こういう私書的な本まで所蔵されると販売側は困っちゃうんじゃないかと思うが、大丈夫なんだろうか。

と、心配しながらも、ちゃっかり3冊全部借りてきて読んでみた。

さすがC級コピーライター糸井重里。いいこと言うわ。

3冊それぞれ、ほほう、というようなことばや、なるほどね、と納得することば、そうなんだよ、と自分の気持ちを代弁してくれてることばがいっぱい。自分の中では「ともだちがやって来た。」が一番打率が高かった。

とりあえず3つずつ紹介させて欲しい。

小さいことばを歌う場所

P42
つくづく、ものごとを大きく動かすのは、
「最初のひとり」が大事なんだと思います。
「最初のひとり」の情熱だとか、独自性だとか、
輝きだとか、おもしろがり方だとか、
そういうものがないプランは、ダメなんです。


P53
「ないほうがいい」と、
その規則がなくなる日を祈るような気持ちで、
つくられる規則でなきゃ、ほんとはダメだ。


P54
人に怒るときに、
「悪いと思っているのか?」という言い方があります。
この場合、「悪いと思ってません」と答えると、
もっと怒られるのです。
しかし、「悪いと思っています」と答えても、
「だったら、どうしてやるのだ!」と怒られます。
どっちの答えも、さらに怒られるのです。
つまり、怒っている側からのこういう質問には、
答えようがないのです。
だから、怒る人の側が、
こういう質問をしてはいけないのです。


思い出したら、思い出になった。

P27
「集中」というのは、
他の人が他のことに「集中」してくれているという、
ある種の依存関係によって成り立つ。
つまりは、「集中」というのは、
「分業」というしくみのひとつの部品なんだ。


P174
「それが、習慣化してもいい」
と思えることは「いいこと」で、
どんなに素敵に思えても
「それが習慣化しては困る」ということが、
「わるいこと」なのではないか。


P212
おたがいに批判してるけど、
その批判そのものは、ぜんぶ当たってるんだよ。
それぞれの悪いところは、ぜんぶ指摘する通りなんだ。
批判する能力だけは、研ぎすまされているよ。
ただ、惜しいことに、それ以上のことがなにもない。


ともだちがやって来た。

P17
「機会」さえふんだんに得られていれば、
その結果なんて、ほんとは大事じゃないのかもしれない。
結果が重要視されるのは、
結果の良し悪しで
次の「機会」が増えたり減ったりしちゃうからで、
「機会」さえなくならないのであれば、
結果が失敗でもまったくかまわないのだと思う。


P80
インスタントラーメンが、3分でつくれる理由は、
あらかじめ油で揚げるなどの加工をして、
3分で食べられるようにするための時間と仕事を、
やってあるからなんですよね。
時間を短縮する方法というのは、
ほんとはないんじゃないかなぁと、このごろ思います。


P101
今から麻雀をはじめる人だっているし、
今からソクラテスのことを知りたい人だっているし、
今からドドンパのリズムを習う人だっているし、
今からウォーキングをはじめる人だっている。

前からやっている人だとか、
かつてやっていてやめちゃった人からしたら、
そういうのは、みんな「いまさら」に見えるんだ。
だから、自分はもうとっくにやっていたもんね、
というような自慢の意味をこめて、
「いまからやるのかい?」なんて笑うんだよ。
先にやっていたこと、先に知っていたことが、
あたかも素晴らしいことのように見せかけるんだ。

でも、おちついて考えればわかるだろ。
先だの後だのってのは、なんの意味もないんだ。


C級コピーライターはダテじゃない

いい本なんだろうな、とは思ってたけど、想像以上によかった。合う、合わないはあるだろうけど、誰でもひとつぐらいはビシッと刺さることばが見つかるんじゃないだろうか。

「あたまのなかにある公園。」は自腹で買ってみようかな。

ほぼ日刊イトイ新聞の本 (講談社文庫)
糸井 重里
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