2009年12月7日

「仕組み」整理術

仕組みと言えばこの人(なのか?)、泉正人氏の整理術本。
著者が用いている方法を具体的に説明してくれている。



本書で説明されている整理術の対象は大きく分けて4つ。
  1. 書類&机周りの整理
  2. PC&メールの整理
  3. 頭の整理
  4. 時間の整理
全編を通して一貫しているのは、余計なことを考えなくてすむように、仕組み(ルール)を作っちゃって機械的に処理できるようにしましょう、ということ。
  • 例えば、やるべきことを出来る限り細かいタスクに分けてToDoに入れちゃえばそれをこなすだけで片付いちゃう(GTD?)
  • しっかりした仕組み(マニュアルやチェックリスト)を作れば今まで自分でやってた仕事を他人に任せられますよ
といったようなことが書かれている。

残念なのが、メール処理やToDoリストの活用法など、ところどころに、「前著『仕組み』仕事術で説明したのでここでは簡単に説明しますが…」といった記述が出てきて、さらっとした説明にとどまっている点。

前作を読んでいない私には説明不足で薄っぺらい感じがしてしまった。単なる著者のスタイルの説明に終始していて、状況が異なる読者が応用できるような原理原則・芯となるものがないように思えた。

前作を読んだ人が補足的に読むのが本書の正しい読み方なのだろう。前作を読んでない人は前作を先に読んだ方が良さそうだ。


ちなみにこの本、ページの下側4分の1ぐらいが空白になっている。注釈とかが入るスペースなのかと思って読み進めてみても、ずっと空白のまま。

意味が分からない。

ページ数稼ぎならやめてほしい。

メモを取るための余白だというのならメモを取りたくなるような内容にしてください。

2009年12月5日

勝間和代ファンにはオススメ - 読書進化論

フレームワークといえばこの人、勝間和代氏の読書法、ではない。

「読む」だけではなく「書く」「売る」まで含めた読書にまつわるエッセイといった趣。

勝間ファン必見! そうじゃない人は無視してOK!



勝間仲間(カツマー)のための本

著者の本がどのように売れてきたか、そもそもどうして本を書くようになったのか、などなど、勝間ファンには必見の充実した内容。

…であるが、特に勝間和代に思い入れのない人には、「ふ〜ん、そうですか」という感じ。

なんか1冊売れて有名になっちゃえばこういうヌルい本を出してもいいんだ、いいなあ、儲かってるんだろうなあ、などと思わずにはいられません。

しかもよく見たらこの本、小学館101新書のNo.001。小学館が新書シリーズを始めるにあたりトップバッターに選んだのがこの本ということ。この本で良かったの?

どういう風に本を読めばいいのか知りたい、という人にはレバレッジ・リーディングのほうがオススメです。

2009年12月4日

佐藤可士和の超整理術

今をときめくデザイナー佐藤可士和の整理術本。

といっても、机の周りはこのように片付けましょう、というだけの本ではない。

「空間」「情報」「思考」の整理術について書かれているが、キモは「情報」「思考」の整理のほうだ。

デザイナーが書いた本なんて役に立たないだろ、と思っている人にこそ読んでいてもらいたい。

佐藤可士和の超整理術
佐藤 可士和
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 438


本質を捉える究極の方法

本書の英題は、

KASHIWA SATO'S Ultimate Method for Reaching the Essentials

直訳すると「佐藤可士和の本質を捉える究極の方法」。邦題である「整理術」よりも英題のほうがこの本の内容にふさわしい。

具体例として挙げられているのが、国立新美術館のシンボルマーク作成や、ユニクロのTシャツブランドのビジネスモデルデザインなど、あまりに特殊な仕事なので分かりにくいが、著者が示す、

P47
  1. 状況把握 / 対象(クライアント)を問診して、現状に関する情報を得る。
  2. 視点導入 / 情報に、ある視点を持ち込んで並べ替え、問題の本質を突き止める。
  3. 課題設定 / 問題解決のために、クリアすべき課題を設定する。

という問題解決の流れはどんな仕事にも通用するものではないだろうか。

「2.視点導入」はちょっと分かりにくいかもしれない。

このフェーズの目標は、ビジョンを持つ、あるべき姿を明確にする、ということ。本質をつかむ、といっても良いだろう。

そのために、「情報」の整理、つまり、

P214
  • 視点を引いて客観視してみる
  • 自分の思い込みをまず捨てる
  • 視点を転換し、多面的に見てみる
という作業を行う必要があると著者は主張する。

多面的な視点で物事を見て、今ある「情報」を整理することで、ようやく本質をつかむことが出来るのだ。

さらに、まず情報を集めるフェーズ(1.状況把握)において、著者のように相手(クライアント)がいるような仕事の場合は、相手の「思考」を整理する必要がある。著者が挙げるその際のポイントは、

P215
  • 自分や相手の考えを言語化してみる
  • 仮説を立てて、恐れず相手にぶつけてみる
  • 他人事を自分事にして考える
ということだ。言語化しなければ自分と相手との間で思考を共有できない。合っているのか間違っているのかも分からない。当然といえば当然の話。


状況を把握し、目標に対する課題を設定する―。

著者の整理術というか問題解決の手法は非常にオーソドックスなものだ。クリエイティブな仕事だからといって、奇抜なことをやっているわけではなく、むしろ基本に忠実といって良い。その基本をしっかりと突き詰めて行っていることが成功の要因なのだろう。 

クリエイティブ・ディレクターなんて聞くと、何となく感性で動いてそうな印象だったが、佐藤可士和氏の場合、少なくとも課題を設定するところまでは非常に理知的に考えているのだと分かった。

デザイナーが書いた本なんて役に立たないだろ、と思っている人にこそ読んでいてもらいたい。

佐藤可士和の超整理術
佐藤 可士和
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 438