2009年11月24日

IT帝国の興亡 スティーブ・ジョブズ革命

IT帝国史

最近のIT業界の動向をつかみたいオジサマにオススメ。

IT帝国の興亡 スティーブ・ジョブズ革命
村山 恵一
日本経済新聞出版社
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表紙を見ると、「スティーブ・ジョブズ革命」がメインで「IT帝国の興亡」がサブタイトルのように思われるが、実際の中身は「IT帝国の興亡」がメイン。

ジョブズの話はもちろんたくさん出てくるけど、Microsoft対YahooやDellの成長と転落など、まさにIT業界の興亡と攻防が描かれている。ジョブズに関する本はすでに山ほど出てるので、むしろもっとジョブズ以外の話があった方がよかった。

著者は日経の記者の方で、特にドラマティックに描かれているわけではなく、新聞記事の延長といった感じ。Microsoft対Yahooなどは最近の話なので、概略をまとめて読めるのはうれしい。

ただ、iPhoneの説明部分なんかを読んでいるとプレスリリースをそのまま持ってきた感じで、なんとなく、明らかにゲームをやったことのなさそうな記者が書いたゲーム業界に関する記事を読んでいるような感覚(伝わるかな?)に陥るところがある。

とはいえ、やはり新聞記者さんの文章は読みやすく、最近のIT業界の動向をつかみたいオジサマにはうってつけの本だろう。


人間スティーブ

IT帝国の興亡を彩る登場人物の中に、最近ちょっと気になる人物がいる。

ジョブズでもウォズでもないスティーブ、Microsoftのスティーブ・バルマーCEOだ。

神格化されているジョブズを筆頭に、Googleの二人の創業者(ラリー・ペイジ、セルゲイ・ブリン)や、ビル・ゲイツの話は、どうも自分とつながっている感じがしない。外国の話であるというよりも、空想の世界の話なんじゃないか、というような距離感を覚えてしまう。

その点、バルマーは人間くさいところがいい。

最近もいいこと言ってた。

http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0911/09/news021_2.html
 「わたしの仕事は、庭づくりのようなものだ
 記者会見の質疑応答で、Microsoftの経営トップとしていま一番、気にかけていることは何か、と問われたバルマーCEOは、「いま最も時間をかけて考えているのは、優秀な人材がベストを尽くしてイノベーションを起こせるような場をいかにつくっていくか、だ」と答え、それはあたかも、と上記の発言に。なぜ、庭づくりなのか。「庭は常に手入れしないと、綺麗な状態を維持できない。放っておくと悪影響を及ぼす草がどんどん生えてくる。いま(のMicrosoft)は非常に綺麗な状態だが、常に手入れするのがわたしの仕事だ」とバルマーCEOは、自らにも言い聞かせるように語った。同氏の経営理念の一端を覗けたようで、個人的には最も印象深いコメントだった。

どことなく日本人に通ずるメンタリティを感じる。

実際に自分の上司にするなら、ジョブズよりバルマーのほうが働きやすそうだ。気性は荒いみたいだけど。

IT帝国の歴史に登場するプレイヤーに日本企業の名前がないのはとても寂しいので、日本企業の社長も、たとえジョブズにはなれなくても、せめてバルマーぐらいの理念を持ってほしいものです。

バルマー本ってないのかな、と思って検索したらこんな本があった。

マイクロソフトCEO バルマー 世界「最強」の経営者
フレデリック・アラン・マクスウェル
イースト・プレス
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残念ながら絶版。図書館にないかな。

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